(9) 日本人とアメリカ人の判断基準の違い

以前、アメリカ法人のアメリカ人社員から「日本人幹部は、なぜ、選択肢が5つあるときに判断せず、4つ、3つ、と減ってゆき、選択肢が最後の一つになってようやく判断するのか」と、皮肉を言われたことがあります。彼の言うことはもっともで、日本人のビジネスマンは、様々な情報を全て手元に集めてからでないと、決断しない人が多いようです(もちろん、そうでない方もいますが)

アメリカ人はかなり早い段階で、その時にある情報だけで決断し、それで大失敗をすることもあります。

一方、日本人は非常に慎重で、他社が決断した後、その結果を見て決めようとします。それが結果的に賢明である場合も、もちろんあります。しかし、仕方なく最後の一つの選択肢を選べば、その結果得られるリターンはライバル会社よりもはるかに小さくなります。判断に必要な情報が100%集まることはなかなかありません。ある時点で見切って判断することは、ビジネスマンに求められる基本的資質ではないでしょうか。

原 一宏 について

早稲田大学理工学部卒業後、日本電気株式会社(NEC)で、30年以上にわたり、アメリカとカナダの市場向け通信機器の営業を担当。両国のマーケットで新規開拓から交渉、契約締結まで、英語で約1000億円超の商談をまとめてきた。入社2年目、初めての海外出張の際に、日本で学んだ英語はほとんど役に立たず、現地のビジネス文化や慣習を踏まえない英会話はトラブルを招くことを知る。その後、アメリカとカナダへの通算2年間、計150回以上に及ぶ出張経験と、カナダ・トロントの現地法人での6年間の勤務、300人以上との商談での交渉経験を通して英会話術を磨く。英検1級、国連英検A級、英語通訳ガイドの資格を持つ。
カテゴリー: business tips パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です